これは愛犬にあげてもいい?②イチゴとキシリトール

これは愛犬にあげてもいい?〜果物①ぶどう、ベリー類〜

 

前回の続きです^^

 

キシリトールがダメと聞きました。イチゴもキシリトールが入っているのでダメだと聞いたのですがあげてはいけないでしょうか??

 

こんなご質問をいただくことがあります。
今回はキシリトールとわんこについてお送りします。

 

キシリトール

 

★キシリトールとは
自然界の果実や野菜に含まれていて、人の肝臓でも毎日作られています。

★商品としてのキシリトールの原料
お菓子や歯磨き粉などの原料は白樺やトウモロコシを使用し、
水素添加により人口的に製造、そして食品添加物の甘味料として使用されています。

★特徴
①ショ糖(砂糖の主成分)と同等の甘さを持ちながら小腸から体内への吸収が悪いため
カロリーが4割り程低く血糖値もあげにくい。
②口内細菌による酸への代謝がされにくいため虫歯になりにくいとされています。

★おまけ
キシリトールはメーカーにより原料がそれぞれ違いますが、
トウモロコシ等を原料にしている場合その多くは遺伝子組み換えのもの。

 

犬とキシリトール

 

犬の肝臓に障害を起こす可能性があり、場合によっては死に至らせる危険もある。
と2006年に米国の米獣医学協会のジャーナルで発表されました。

臨床所見では、嘔吐や無気力に加え、点状出血、斑状出血、または消化管の出血。
一般的な臨床病理学的所見は、肝酵素、高ビリルビン血症、低血糖症、高リン血症等。剖検では、重度の肝壊死が発見されました。組織学的検査は、小葉の崩壊を伴う重篤な肝細胞の損失や萎縮を明らかにしました。

Journal of the American Veterinary Medical Association

ビーグル犬を用いた混餌(2、5、10、20%)投与による104週間の反復投与試験において、20%投与群で肝比重量の増加が、10%以上の投与群でGPT等の血清酵素値の上昇、門脈周辺の肝細胞質の淡明化が認められる。肝比重量の増加、血清酵素値の上昇及び門脈周辺の肝細胞質の淡明化は、高濃度のキシリトール投与により、インスリン分泌が促進され、グリコーゲンが生成し、それが肝臓に蓄積したことなどによるものであると考えられる。このような変化は、イヌ以外の動物種では見られていないと米国食品医薬品局は報告している。なお、20%投与群のキシリトール摂取量は5.5g/kg体重/日である。

厚生労働省行政

 

具体的に見て行きます。

 

★摂取時に現れる可能性のある症状

①血糖値の低下、②嘔吐、③無気力、④歩行困難、⑤肝障害

★影響があるとされる量の目安(キシリトール含有量)

100mg/kg BW
(1kgの犬に対して100mg)

 

イチゴに含まれるキシリトールの量

 

イチゴの乾燥重量100gに含まれるキシリトールの量は約350mg。
食品標準成分表によるとイチゴの約90%は水分です。

そのため生イチゴ100g中に含まれるキシリトール量は、約40mg。
100mgになるには、約250gのイチゴが必要です。

影響が出る目安の値になるには、体重1kgあたりのわんちゃんで250gのイチゴ
これは中粒の1パックのいちごの量になります。(下の写真の量です。)

 

愛犬で計算してみる

 

我が家のラテは1.7kg、ぴのんは2kgなので
500gのイチゴ、およそ2パックのイチゴの量で影響が出る量になります。

 

体重の4分の1のイチゴです。
単純計算ですが40kgの人だったら10kgのイチゴ….

 

すごい顔をしていますね。笑
そうなんです、そんなに食べられません。^^

なのでイチゴを食べても大丈夫です

ただし、乾燥イチゴの場合は食べられる量になることもあります。またキシリトールガム等の誤飲にはくれぐれも気を付けてあげてください。

尚、キシリトール等の糖質を食べたあと胃の中に滞留している時間はおよそ3時間です。万が一キシリトールや人用の薬等を誤飲してしまった際には早急に動物病院に行き吐き出させてください。

 

これは愛犬にあげてもいい?次回予告〜他の果物は?気をつけることは??〜 です。

 

 

 

丸めている手が気になります( ´艸`)